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こんにちは,吉原です.

以前に紹介した「2回目のベンチ試験」の結果を報告していないことを思い出したので,軽く載せようと思います.

まず,現在のエンジンの仕様(SOHC)からバルブタイミングを変更すると言っても開き始めから閉じ終わりまでの角度(作用角)を変更するか,全体的に早めるか遅くするかくらいしか変更できません.

初めてやることなので現在のバルブタイミングを基準に吸排気の各作用角を今より広げるか,狭めるかで比較していきながら最もバランスのいい所を模索していきました.

吸排気ポートの形状から同調回転数は3500rpmで,そこで最大トルクが発生するような仕様になっています.
常用回転数域は2300rpm~3700rpmくらいです.
BSFC的には最大トルクの500rpm手前くらいで最も良くなっています.

吸気側,排気側の各作用角を広げていく方向へ持っていくと,どの条件も初めの回転数は同じくらいのトルクを発生しているのですが,3500rpmのトルクのコブ凸が徐々に大きくなっていく傾向がありました.また,最大トルクを発生する回転数を超えてからの急激なトルクの落ちが少しずつ緩やかになっていました.
おおざっぱに言うと,広げていく方向は局所的にトルクのコブが大きくなる傾向でした.

また,各作用角を狭める方向に持っていく方は,吸気側を狭めても悪くなるだけで効果がありませんでした.吸気側をそのままに排気側を少しずつ狭めていくと3500rpmのコブは消えるのですが,全体的にトルクがアップし,なだらかな丘のような形になりました.
おおざっぱに言うと,狭めて行く方向は排気側の効果が大きく,コブは消えるが全体的にトルクがアップするという傾向でした.

BSFC的には1か所コブ型もなだらかな丘型も選ぶのが難しい結果となりましたが,実際の加速は回転数が連続的に変化していくことを考えるとなだらかな丘型を現在は選択しています.

何となく方向性が見えてきたところでマフラーに亀裂が入ってしまい中止になってしまいましたが,エンジンの特性が変わることを身をもって体験できたので勉強になりました.


次は,来年以降のエンジン設計の方向性に繋がるフリクションの評価を行っていきたいのですが,現在の試験方法では問題があるので,そこを改良していこうとしているところです.
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年齢:
26
性別:
非公開
誕生日:
1997/05/01
趣味:
エコラン
自己紹介:
エコランプロジェクト とは
" クルマの省エネルギー化を追求する活動を行っているプロジェクトです "

1997年、自動車やエンジンに興味がある学生有志が集まり、省燃費競技大会へ参加することを目的に発足しました。
2001年には省消費電力競技大会World Econo Move への参加を開始して現在に至ります。

" エンジンエコラン " および " EVエコラン "専用の車両の開発を行うと共に、日本各地で開催される競技大会に参加しています。
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